雲と羊蹄山登山

雲と羊蹄山登山

山行中は雲の中を歩くことが多く、真狩コースはなかなか展望が開けたところは少なく。
とはいえ綺麗な景色をたっぷりと楽しむことができた山行でした!

まずは後方羊蹄山について記載、そのあとレポとなっています!
 1ページ目:後方羊蹄山について
 2ページ目以降:山行詳細(リンク

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後方羊蹄山

名前について

蝦夷富士とも呼ばれる後方羊蹄山(しりべしやま)。

後方で「しりへ」と読み、羊蹄で「」と読むようで、北海道のジンギスカンから連想される羊はまったく関係ないという…

「後方」の読みの「しりへ」は、万葉集などの古文で後方の意味で「しりへ」と出てきてくる古語。
「羊蹄」の読みの「し」ですが、牧野富太郎さんの「植物随筆」によると、「ギシギシ」という名の漢名の羊蹄からきており、日本では「ギシギシ」の音を「し」と呼んでいたことからきているそうです。なぜその漢字をあてたかは謎。

そもそもアイヌ語では「マチネシリ(女山)」(マチネ=女、シリ=山)と呼ばれていました。
また「マッカリヌプリ」(マク=後ろ、カリ=回る、ヌプリ=山)という後方に対をなして一方にある山とも称されています。
※尻別岳:ピンネシリ(男山)。女山と夫婦関係にあるそう。

さてここから何故「しりべしやま」という名称に変遷していったのかです。
麓を流れる尻別川をアイヌ語では「シリ・ペッ」(シリ=山に沿って下る、ペッ=川)が訛り、川周辺の地域を「シリベシ」と呼ぶようになったとか。
そこにあった大きな山を後方羊蹄山(しりべしやま)となったという説があります。

「日本書紀」では「シリベシ」という地名が登場しており、恐らくは同一であろうとのこと。
日本書紀は720年に完成しているので、この頃にはすでにアイヌ民族と接触をしていたんでしょうか。

明治から昭和には後方羊蹄山は「しりべしやま」「こうほうようていざん」「マッカリヌプリ」「蝦夷富士」など、4つの名で呼ばれていたとのことです。
また一部ではマッカリ山(真狩山)という地図もあったそう。

結構色々な呼び名があった後方羊蹄山でした。

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標高や成り立ち

標高は1,898mの成層火山で、山頂付近には噴火口があります。

噴火活動は3期に分けられ、

  • 第1期:現在の火山体の大部分が作られる
  • 第2期:溶岩流が西と北東方向に流出
  • 第3期:噴出中心が東に移動、現在の頂上部に

という活動をしてきました。
また側噴火により北山、半月湖など、 少なくとも6個の寄生火山が生成されています。
気象庁によると

完新世の中頃から数1000年にわたり、山頂を中心に断続的に噴火活動があった。約4000年前の噴火による溶岩流は、現在の倶知安町市街の一部まで到達している。最後の噴火は約2500年前の山頂噴火である。

https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/sapporo/117_Yotei/117_index.html#:~:text=%E5%AE%8C%E6%96%B0%E4%B8%96%E3%81%AE%E4%B8%AD%E9%A0%83%E3%81%8B%E3%82%89,%E3%81%AE%E5%B1%B1%E9%A0%82%E5%99%B4%E7%81%AB%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82

とのことで、最近は大人しいようですね。

登山コース

4つのコースがありますが、それぞれ水場は無いのでしっかりと用意しておきましょう!
トイレは真狩コースと俱知安コースの間にある避難小屋のみで、300円で借りられます。
1日利用可(休憩利用+トイレ利用でも同額)。

羊蹄山避難小屋
宿泊をご検討されている方は必ず事前に事務局までご連絡ください。(TEL:0136-23-3388) 毛布や寝袋のレンタルは、コロナ対策で現在行っていないとのことです。 下記は通常時のもの ・宿泊協力費(毛布・寝袋込):2,000円 ・休憩協力費:300円 ・追加レンタル協力費:毛布 200円、寝袋 300円 ・収容人数 通常使用時:約6人まで  (コロナウイルス感染拡大予防のため人数を制限しております) 飲食物の販売はないため、自分で水や食料は持って行きましょう

携帯トイレは念のため準備しておきましょう!

真狩(まっかり)コース
登山者が一番多いというコースで、今回のコースとして選んでみました。
展望は9合目まであまりないので、山頂付近のご褒美まで耐えられる方向きかも。
1合目付近の分岐を左に曲がると「南コブ山展望台」があり、洞爺湖などを眺められるので、キャンプ場からちょっとした散策(傾斜はきつめ・要トレッキングシューズ・片道1時間程度)が楽しめます。

倶知安(比羅夫)コース
真狩コースの次に登山者が多いというコース。
登りっぱなしのコースのようですが、ニセコ連山などを眺めながらというのもいいですね。

喜茂別(きもべつ)コース
4合目あたりでは沢の崩落があり足場が悪いという、ある程度経験がある方向きなルートっぽい。
体力や技術に自信があれば、登山者も少ないとのことですので良さそうですね。

京極(きょうごく)コース
最も古い登山道。
こちらも9合目からの岩場ではロープが張られているくらい急とのこと。
崩壊が進んでいる部分もあるとのことで、他のルートの方がよさそうです。

 1ページ目:後方羊蹄山について(リンク
 2ページ目:山行詳細・9合目までの写真(リンク
 3ページ目:9合目以降の写真など(リンク

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